入れ歯について
入れ歯を入れるのは、何となく年寄りじみていて嫌だと思う方もいるでしょう。
しかし、見方を変えれば、入れ歯はありがたい装置ではないでしょうか。
たとえば前歯を失ってしまうと、人はかなり老けて見えてしまうものです。
入れ歯を入れることで、見た目の若さと噛む機能を取り戻すことができます。
入れ歯が最も敬遠される理由は、口の中で邪魔な異物感があるからでしょう。
でも慣れると予想したほど違和感はなく、比較的快適に使えるものなのです。
だんだん馴染むと、逆に入れ歯なしでは調子が悪いと感じるようになるほどです。
これは、近視や遠視の人のメガネをかけていない状態と似ています。
なくても特に不便を感じていなかったのに、ひとたびそれを使うと驚くようによく見え、新しい世界を発見したように感じます。
そして、今まで不自由だったことに気が付くことがあります。
入れ歯もひとたび入れると、今までの噛めなかった不自由さに驚き、入れ歯のありがたさを感じて感謝できるものなのです。
入れ歯の悩み
入れ歯を使っている方の多くは、「痛い」「ちゃんと噛めない」という悩みをお持ちです。
体のどこかに違和感や痛みがある状態が続くのは、本人が自覚している以上にストレスがたまります。
また、毎日の楽しみであるはずの食事がおいしく食べられないのは、本当につらいことです。
入れ歯にしてから「イライラするようになった」「笑わなくなった」という話はよく聞かれます。
入れ歯だから、痛くて外れやすくて噛めないのは仕方がないとあきらめてはいけません。
「痛い」「噛めない」原因は取り除けるものです。
そして、快適な生活を取り戻してほしいと願っています。
部分入れ歯
部分入れ歯は、数本の歯が抜けてしまったときに歯を補う一つの方法です。
残っている歯に「クラスプ」という金属のバネを引っかけることで装着します。
しかし、歯は左右から揺さぶられる力に弱いので、バネをかけている歯に負担がかかり、その歯もいずれ抜けやすくなってしまいます。
歯が抜けると、また新たに部分入れ歯をつくり直さなくてはいけません。
高齢になると顎の骨がやせてくるため、定期的に調整する必要もあります。
引っかける歯がなくなれば、総入れ歯になってしまいます。
また、保険でつくることのできる部分入れ歯は、噛む力が自然の歯の3割程度といわれています。
食事を以前のように楽しめないという方や、目立つ金属のバネを嫌がる方も多く、そのような場合は高額になりますが、保険外(自費)の部分入れ歯を選択することになります。
総入れ歯
歯が1本もなくなってしまったら、総入れ歯を入れることになります。保険が適用できる治療の場合、プラスチック製になりますが、保険外(自費)の総入れ歯にはさまざまな種類のものがあります。
保険治療のプラスチック製入れ歯は安価ですが、「違和感がある」「話しずらい」「食べにくい」などという声がよく聞かれます。
噛む力は自然の歯の2割程度で、固いものを食べるのはかなり困難です。
見た目の美しさ
「噛む」という歯本来の機能に加え、最近では見た目の美しさにもこだわる人が増えてきました。
機能面だけではなく、見た目もきれいでいたいという人は、心身ともに若々しい印象があります。
「入れ歯が気になって笑えない」「友達と旅行や食事に行くのが億劫」「いつも違和感があってつらい」など、人には言いにくい口に関する悩みを抱えている方は多いものです。
保険治療ではどうしても限界がありますが、保険外(自費)の治療であれば、より高機能で、見た目も美しい自然な入れ歯をつくることが可能です。
入れ歯に関する悩みやご希望があれば、実績豊富な当院にぜひご相談ください。
残った歯を守るために
入れ歯を入れることになった際は、残った歯と歯ぐきをいかに守るかが大切です。
歯が抜けてしまった原因は必ずあるものです。
「抜けた歯のところに入れ歯を入れて終わり」ではなく、歯が抜けた原因を見つけて、根本的に解消しましょう。
そのままにしていると、また歯が抜けたり、歯ぐきや骨の状態が悪くなって、将来もっと苦労することになりかねません。
原因を取り除いた後は、定期健診によるメンテナンスをしっかり行い、口の中を清潔な状態に保ってください。
抜けてしまった歯を教訓に、もう歯を失うことがないように、歯ぐきや骨をできるだけ健康に保つ努力を一緒に続けていきましょう。
私たち歯科医師が患者様のためにできるのは、治療を通して健康なお口の環境を整えることです。
患者様ご自身の努力と当院の歯科治療を組み合わせ、ご来院いただいた方々が何かを我慢したりあきらめたりすることなく、快適で楽しい生活が送れるようにサポートしたいと思います。
入れ歯をつくる前に質問しておきたいこと
自分の歯や口の中が、今どういう状態になっているか?
歯の治療が必要かどうかは、入れ歯をつくる前に確認しておきましょう。
入れ歯を入れると、今より快適になるか?
どんなによくできた入れ歯でも、自然の歯とまったく同じというわけにはいきません。
入れ歯を入れるのはそれなりの覚悟が必要です。
「噛んでいる」という感覚において、自分の歯に勝るものはありません。
可能な限り(たとえ1本でも)自分の歯を残すよう努力することをおすすめします。
自分には、どんな種類の入れ歯が必要なのか?
入れ歯を選ぶときは、それぞれの種類の特徴をよく確認しましょう。
費用はどのくらいかかるのか?
保険の入れ歯と自費の入れ歯との違いや、製作にかかる費用を確認しましょう。